ずっと、悩みっぱなしの十日間だった。





きっかけは、ある人からの電話。
前会社在籍中に仲の良かった同地域内の建設会社、S社のおねーさん・Nさん。

同じ事務職・契約や提出関係の書類作成担当だったから、
お互いにわからないところ、発注先ごとに異なる書類様式など、
そんなものの情報交換をしていて、あっちは私よりも年上で先輩なのに
『契約書類のことなら組合よりもM社のK(私)に聞け』とまでいってくれた人。


前の会社・M社を辞めるとき、自分の会社と関連会社の人には挨拶したのだが、
8年間勤務する中で知り合った、同業他社の人たちには
とうとうその話ができないまま辞めてしまった。


退社から一年近く経ち、Nさんとはあれきり会うこともなかったのだが、
たまたま用事でM社に電話し、私が辞めたことを知ったおねーさんが、
S社の子会社の事務員として働く気はないか?という話を持ってきたのだ。


前の会社をやめ、年齢なのか経歴のせいか新しい職が見つからず、
事務屋としての自分は世間に通用するレベルじゃないのか、と
見切りをつけて、今の職場に入った。



調理師免許の取得、という新たな目標を見つけ、
ようやく体力的にも経験的にも職場に慣れてきた今、
私の建設業での経験値を踏まえた上での事務屋復帰の話。

今の仕事を続けていく気持ちに変わりはないはずなのに、
なんとなく心揺れてしまった自分がいた。


今の職場で、目標に向けて頑張ってますから!と言い切れず、
じゃあちょっと考えてくれる?という相手の言葉にNOとも言えなかった自分。

同じ頃なんでそこまで、というタイミングでいろんなことが重なり、
自分の気持ちに押しつぶされそうだった。


自分で決めないといけないはずなのに、

誰かに聞いてほしくて、泣きつきたくて、甘えたくて、
忙しいとわかってるのに、友人の予定を伺うメールを送りまくった。
(その節はすみませんでしたー)



どんなに悩んでも考えても、やっぱりきついけど今の仕事が好きだ、
という結論にしかたどり着かず、
そして、やっと今日、Nさんにお断りの返事をした。
私の気持ちがまとまるまで待っててくれて、仕事とは関係なく、

これからもよろしくね、たまには飲もうね、と

そういってくれたNさんの気持ちがうれしかったり申し訳なかったり。



この決心を後悔する事のないように、

今の仕事を頑張らなきゃ、と改めて誓ったのだった…。